だが、当の律は気にする素振りも見せなかった。律と州は長年の親友であり、ビジネスでも互いに背中を預け合う最高のパートナーだ。これまでも何度も互いにカバーし合い、決して利益や負担の大きさで揉めるようなことはなかった。それに今となっては、律と紫音は家族でもある。損得勘定など、最初から二人の間には存在しなかった。「心配しなくていいよ。州は確かに今は落ち込んでいるかもしれないけれど、絶対に仕事を放り出すような男じゃない。その責任感の強さは私がよく知っているからね」律は紫音を安心させるように、穏やかな声で続けた。「彼と一緒に仕事をするのは本当に安心なんだ。最近ずっと心身ともに疲弊していたはずなのに、彼が提出してきた仕事のデータには一つのミスもなかった。彼が練り上げた企画も、他の誰にも真似できないような見事な着眼点に満ちていたよ。あの強靭な精神力と仕事への姿勢は、心から感嘆に値する。並の人間には到底真似できない」「だから、君は州の仕事のことまで思い悩まなくていいんだ。自分の目の前の仕事にだけ集中してくれればいい。あとのことは、俺が全部引き受けるから」律の落ち着いた声には、見えない盾のように紫音を守る確かな安心感があった。どんな不測の事態が起きようとも、すべては彼が想定し、計画している範囲内に収まっているような、そんな絶対的な頼もしさがあった。「律……最近は本当にありがとう」紫音は、胸の奥から湧き上がる深い感謝を口にした。「あなたがそばにいてくれるだけで、何をするにもすごく心強くて、不思議なくらい安心できるの。それに……あなたが私のために、自分からは何も言わずに影でどれだけ動いてくれているか、ちゃんと分かってるから」「愛する君のためなら、どんなことだって喜んでやるさ」律は優しく微笑んだ。「それに、君を支えるのは私にとって当然の権利じゃないか。何も遠慮する必要はないんだよ。あれこれ自分一人で抱え込もうとすると、余計に疲れてしまうからね」律は、愛する紫音が日々疲労困憊している姿を見るたびに、密かに胸を痛めていた。いっそのこと、面倒な仕事などすべて投げ出してしまえと言いたくなる瞬間もある。彼女が望むような豊かで穏やかな生活なら、全て自分が与えてやれる絶対的な自信と財力があるのだから。だが、それを口に出すことは決してない。紫音が自分の仕事に深い情熱を
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