伝えるべきことはすべて、明確に伝えた。最終的にこの残酷な失恋という現実と向き合い、乗り越えなければならないのは州自身なのだ。どうか正気を取り戻してほしいと祈るほかない。紫音は病室に戻ると、ベッドで横になっている琴音に微笑みかけた。「お母さん、ただいま」「あのね、お母さんにいい知らせがあるの。今日、有加里さんと会ってきたわ。ゆっくり時間をかけて、お互いの本音を話し合ってきた。結論から言うとね、二人がこの先結ばれることはもうないわ。有加里さん、近いうちにこの街を出ていくそうよ。……やっぱり彼女、自分の秘密を私たちが全員知ってしまったことに、どうしても耐えられないみたい」紫音は琴音の手を軽く握りながら、静かに続けた。「だから、もう二人が一緒にいることはないの。お兄ちゃんがどれだけ追いすがっても、有加里さんが振り返ることは絶対にない。前回お兄ちゃんの元へ戻ってきてくれたのも私が説得したからだけど、今回は私の言葉もまったく通じなかった。どんなに言っても、お兄ちゃんとやり直すつもりはないって」紫音は、あえてキッパリと言い切った。「だからお母さんはもう、何も心配しなくていいのよ。これ以上悩むのはやめて、早く元気になって退院することだけを考えてね」それが、紫音がこの話を伝えた一番の理由だった。連日の心労で、今の琴音は目も当てられないほどやつれ、ひどい顔色をしていたからだ。有加里が完全に離れていくと聞いて、琴音の顔に明らかな安堵の色が浮かんだ。ずっと彼女の胸を塞いでいた巨大な重荷が、ようやく降りたのだ。しかしそれと同時に、一人の母親として、あるいは一人の人間として、チクリとした罪悪感が胸を突いた。「……こんな結末、私も望んでいたわけじゃないのよ。あの子をあんな風に傷つけたくてやったわけじゃない。私たちのやったことは、確かに自分勝手で残酷だったと思う。でも……それでも、私は州のためにああするしかなかった」琴音は力なく視線を落とした。「あの子は、あんなに若くして背負うべきじゃない過去を背負ってしまったものね。それを問いただして、無理やり古傷をえぐったことについては、私にも責任があるわ。……もし会えるのなら一度謝りたいくらいだけれど、もうこの街を去って会えなくなるなら、それも叶わないわね」どうしても拭いきれない後ろめたさはある。しかし、行動を起こしてしまった
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