誠司と胡桃の父親が医者の説明を聞きに病室を離れた。 胡桃は大事を取り、1日入院する事になったのだ。 今病室には胡桃と母親の桔梗、2人だけ。 桔梗は外に誰もいない事を確認してから胡桃に話しかけた。 「──で、胡桃?気を失ったのは演技でしょう?何があったの?」 桔梗の言葉に、胡桃は自分の爪を見ながらなんて事ないように答える。 「誠司が浮気してるの。秘書と」 「何ですって?胡桃がいるのに、誠司くんは他の女に目移りしているの?」 「うん、そう」 「しかも秘書って、確か胡桃の大学の先輩でしょう?お父さんに言って始末しようか?」 「ううん、大丈夫よ。さっきの誠司の言葉を聞いたでしょ?多分先輩を遠ざけるから、今のところは大丈夫よ」 ふん、と鼻で笑った胡桃に桔梗は「それならいいけど」と頷く。 「結局、誠司は誘惑に抗えない男なのよ。こっちで何とかコントロールするから大丈夫。目に余るような事をしたら助けて」 「ええ、分かったわ」 「お父さんには誠司の浮気の事は伝えないで」 「──そうね、浮気関係の事はあの人、敏感になるから」 「でしょう?それで下手に過去の事まで調べ始めたら大変でしょう?気付かれちゃったら不味いもの」 胡桃の言葉に、桔梗が強く反応する。 「──胡桃、こんな所でそんな話はやめて……!」 「分かったわよ、ごめんなさいお母さん。そんなに興奮しないで」 ひょい、と肩を竦めて謝る胡桃。 話を変えるように、胡桃は口を開いた。 「それよりお母さん。もみじのあの記事を見た?」 「──もみじ?あの女に何かあったの?」 桔梗はもみじに関わるあのニュースの事を知らないようだった。 そんな桔梗に、胡桃は口を尖らせて答える。 「ええ、ちょっと失敗しちゃって。もみじを醜聞まみれにしてやろうと思ったんだけど……」 「やだ、胡桃。また記者か何かに依頼したの?」 「うん。でももみじに関しては嘘を書かせていないわ。だけど、もみじに批判を集中させたかったんだけど……」 胡桃はスマホを取り出すと、例のネットニュースを表示して桔梗に見せた。 「TKの社長──あのイケメンの髙野辺さんが、もみじとの交際を発表したのよ。まさかこんな事になるなんて思わないじゃない?」 「──何ですって?あの大企業の社長ともみじが!?」 桔梗は声を荒らげると、胡桃のス
Terakhir Diperbarui : 2026-07-12 Baca selengkapnya